2009年07月29日 紀三井寺球場
智弁和歌山vs南部
2009年夏の大会 第91回和歌山大会 決勝

智弁和歌山ナイン
負けない野球で、今年は守り勝つ!
今夏の和歌山大会は、投高打低。破壊力のある打線が、打ち勝つチームではなく、ピッチャーを中心に守り勝つ野球をするチームが、上位に残りました。その筆頭だったのが、智弁和歌山。これまでは、得点力のある強打者揃いの打線が、タイプの違う投手陣の継投をバックアップし、甲子園で夏2回・春1回優勝していますが、今年はあまり打てません。今大会のチーム打率は、2割4分8厘。前日の準決勝でも、10四死球を選び4対0。紀北工業のエース・辻本に3安打に抑えられての勝利でした。
その智弁和歌山と対戦したのが、26年ぶり3度目の優勝をめざす 南部(ミナベ) 。今大会は、2回戦で高野山を2対1、3回戦で近大新宮を4対3、準々決勝で市立和歌山商業を6対5、準決勝で県立和歌山商業を3対1と、こちらもピッチャーを中心に堅い守りで接戦を勝ち抜いての決勝進出でした。
これまで智弁和歌山とは8回対戦し、対戦成績が3勝5敗。1対6で敗れた一昨年の準決勝以来の夏の対決に、注目が集まりました。
智弁和歌山が昨夏の甲子園も経験しているサウスポー・岡田 俊哉、南部が右の本格派・井口 友廣という3年エースの先発で始まった試合は、2回に動きます。
智弁和歌山は、この回の先頭バッター4番・山本が四球で出ると、5番・北畠が、すかさずピッチャー前の送りバントを決め、ノーヒットでこの試合初めて、スコアリングポジションにランナーを進めます。そして1アウト・ランナー2塁から6番・瀬戸が、チーム初ヒットとなるライトオーバーのタイムリー3ベースを放ち、まず1点を先制します。さらに7番・平野も、ライト前タイムリーで続き、初回は3社凡退に抑えられた 南部 のエース井口から、2点を先制します。
今年の智弁和歌山打線は、例年以上にボールを振ってくれるので、つなぐバッティングをして、エース井口がタテのスライダーを上手く使ったねばりのピッチングをすれば、1~2点のロースコアーの接戦に持ち込めると話していた 南部 の井戸 大志監督にとっては、先制したかった試合ですが、ここから両エースの投手戦が始まります。
智弁和歌山のサウスポーエース岡田は、1回の立ち上がり、いきなり南部の2番・火縄にヒットを打たれますが、2点のリードを貰ってからピッチングが安定します。2回から5回までは、三者凡退。6回まで 南部 打線を2安打7三振・無得点に抑えます。
これに対し 南部 のエース井口も、3回から6回まで単発の3安打2三振。先頭バッターを出さず、ダブルプレーを取るなど、バックの堅い守りを信じ、打たせて取るピッチングで、追加点を与えません。
しかし7回、先取点を取られた2回以降初めて先頭バッターを出し、ピッチングのリズムが変わります。智弁和歌山の8番・左バッター西川に、流し打ちのレフト前ヒットを打たれ、9番・城山の送りバントで、1アウト2塁のピンチ。1番の大畑を三振に取り、2アウト2塁まで踏ん張りますが、前の打席でライト前ヒットを打たれている2番・岩佐戸には、タイミングが合っていました。2ナッスィングからの3球目をセンターに弾き返され、2塁から西川がホームイン。智弁和歌山にとって大きな追加点が入ります。
このあとも、両エースの投げ合いは続き、両チームともヒットは1本ずつしか打てません。結局、7安打に抑えられながら、少ないチャンスを活かしてあげた得点を、バックの堅い守りにも助けられ、エース岡田が、12奪三振・無四球・3安打完封。 南部 を3対0で破った智弁和歌山が、5年連続17度目の優勝を果たしました。
智弁和歌山のサウスポーエース岡田は、準々決勝から決勝までの3試合連続で完封し、32イニング3分の1を無失点。昨夏の甲子園ベスト8敗退の雪辱に燃えて、再び甲子園のマウンドに上がります。
今春の選抜甲子園で、久しぶりに箕島がベスト8入りし、伝統の「守り勝つ野球」を見せてくれました。その箕島も初戦で、伝統校の桐蔭に破れるなど、どこにでも甲子園出場のチャンスがあると言われた和歌山大会を、甲子園で活躍した箕島の黄金時代と同じ「守り勝つ・負けない野球」で、勝ち抜いた智弁和歌山。
和歌山大会決勝では一度も負けていない高嶋 仁監督が、あと3勝で甲子園通算59勝の最多勝利監督となるだけに、エース岡田を中心とする智弁和歌山ナインは、監督に勝利をプレゼントしようと燃えています。
今年の智弁和歌山は、少ないチャンスを活かして得点し、堅い守りでピッチャーをバックアップして勝つ、新しいスタイルの「ハイブリッド野球」で、3度目の夏の全国制覇をめざします。
(文=田村正浩)



































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